『天冥の標』を読み終えたのでメモを掲載しようとしているのだが、いかんせん長大な作品なので、どうしたものかと思っている。手ごわい。長編作品の読書でありがちな問題が登場人物の数と相関関係の複雑化。ただこの作品について言えば人名であまり困ることはなかった。とはいえ、やはり長い作品なのでところどころで誰だかわからなくなったりもする。ずいぶん過去のエピソードで登場した人物が再登場するときなどが一番厄介だよね。

何巻にもおよぶ作品、特にロシアやフランスの古典作品には、登場人物が多い。よく言われるが、正式名称、愛称、名字呼びなどのバリエーションがある場合もあって、苦痛になりかねない。目次の前後に人名録があったり、しおりがガイドになっていることもある。確認して読む小まめさがあれば幸いだが、あいにく私は持ちあわせておらぬ。ガイドの網羅性の問題もあって、重要そうな立ち回りの人物が掲載されていなかったときは泣いた。

というわけで私はもう随分と前から、人名を覚えるのを諦めている。文脈で思い出すか、思い出せなければ所詮はその程度の存在だったのだということにして読み進める。さすがに支障を感じたときに限っては振り返ることとしている。

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