《カメラを止めるな!》のフランス版リメイク《キャメラを止めるな!》を観た。

言い方が不適切かもしれないが、捉えどころのない作品で、監督も脚本も原作のおもしろさを掴みかねてたんじゃないのかという節がある。

あるいは、原作の要素を皮肉的に再現しているのではないかという複雑な予感というか。両手を挙げて面白いとはいえない作品ではあった。

そんなピーキーな完成度ではあったが、要所ではやはり、それなりに面白さはあって、クライマックスの謎の感動はそれなりに再現されていた。

つまり、それだけ親子愛や創作愛-その完成を目指すという意味で-というテーマそのものの強さを実感させられたとも言える。

「ロケーション選びが原作に比して駄目だ」という意見を目にしたが、私は逆で、なぜか半透明でカラフルな仕切りで区切られた、林中にある目的不明の打ち捨てられた構造体が、低予算でゾンビ映画を撮影するという前提にはあっていたように思う。

そこを監督が駆け回るバカバカしさは、もしかしたら原作を超えていた。次第に建築物の構造が明らかになっていくのも楽しかった。まぁどうでもいいか。

気になった点として、フランス語題《Coupez!》だが、これって「切る!」みたいな意味なのかな。原題とは逆の意味だわね。英題も “Final Cut” となっているようだ。やっぱり意図的な捻じれがあるのか、そのように感じてしまう。

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