仄かにひかる|《軍中楽園》

Amazon Primeで《軍中楽園》を観た。2014 年の台湾映画だ。日本国内での上映は 2018 年だとか。

つい先日、台湾は金門島というエリアに正体不明のドローンが侵入し、台湾軍だかが撃墜したというニュースを目にした。不勉強ながら、地理がわからず地図をみると、ほとんど大陸本土側だ。仔細は Wikipedia などを読んでもよくわからないが、とにかくここは台湾領土として実効支配されていると。

《軍中楽園》は 1969 年、共産党との小競り合いの最前線であった金門島、そこに用意された公認の娼館に配属された若手軍人の物語だそうだ。

彼の名をルオ・バオタイ:羅保台という。ピュアで純朴、学者の家系で姉が 3 人いるところの長男だとかだったと説明されていたが、つまり娼館での人間模様に翻弄されるのが序盤だ。彼はいわゆる童貞であって、地元の彼女といつか一緒になるとか、かんとか。

次第に仲良くなったニーニー:妮妮という女性や、もともと所属していた海兵部隊の上官との友情、彼の抱えるコンプレックスなんかと向き合いながら、次第に大人びてくるバオタイだが、一線はギリギリで超えない、おいっ、なんのことやら。

妮妮との別れのシーンは、同じ男性としてはわかるようなわからんような、その残酷ともいえるピュアさは、たしかにバオタイの美徳ではあったかもしれないが、それが終盤のハイライトでは脆くも崩れ去ったことが、さっくりと描かれる。この諸行無常さが何とも言えない。

こういう直截なコミカルさは中国の作品という感じがする。うまく説明できないが。

バオタイ自身の葛藤や、同期の旧友の失踪、失意の上官の転落など興味深い内容ではあるが、全体的に軽いので、重くなり過ぎないのはいいのだが、一方でなにかとなぜか、清々しくはあるが、何を観ていたのかはよくわからん気分になるタイプの作品ではあった。

とはいえ、失恋を重ねられる人生ってのは、ある意味で幸せだろうなと思う。