なんだか楽しそうということに尽きる|《ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート》

《ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート》を観た。上映期間が延長され、なんとなく時間があったので、行った。ステッカーとミニポスターみたいのを貰ってしまって、なんか申し訳ない。

鑑賞者の年代層が高かったように見えたが、レイトショーの時間帯とはいえ、大きめのシアターに半数近くの座席が埋まっていた。さすがのビートルズ、コンテンツぢからの大きさを思い知る。

結果的には解散となったが、その前にして、新たなパフォーマンスについてコンセプトの議論が煮詰まった結果、彼らのアップル社の社屋は屋上でゲリラライブを実施するに至った、ということらしい。

この時期、メンバーの関係性は消耗しきっていて、険悪だったという。

ところが、ライブの演奏中は、そういう空気は皆無だ。というか、メチャクチャ仲がいい。本当に楽しそうだし、連携にそつがない。寒くて演奏できないとかいうけど、お構いなしのパフォーマンスを発揮している。いや、本当に解散する必要なくね? ってくらいだ。そうもいかなかったワケだが。

ここまでちゃんと映像としてビートルズを確認したのは初めてだったが、あらためてポールのボーカルの素晴らしいこと、ジョンのボーカルのエネルギー、リンゴのドラムの繊細でいて確かな安定感と絶妙なリズム感、ジョージの包容力、それぞれが凄かった。

ポールがジョンに合わせるときに、彼の口元を注視することが度々あるのだが、キュン死しそうになるよね。

映像としてはライブを撮影しているカメラは定点で 5 箇所だっけ。あとは路上のインタビュー、エントランス内の隠しカメラなどが撮影した素材をもとに構成される。

映像の半分ほどは、それぞれのカメラの視点をスクリーンに同時に映していた。単純に同サイズで横に並べたり、それぞれサイズを違えてスクエア状に構成したりで、視聴する側も割と忙しい。

彼らの演奏を楽しもうと路上や屋上にあがってくる一般ピープルたち、迷惑を感じているひとたちを除いて平和な光景が広がっていた。街頭のインタビューでも賛否両論を取り上げていたが、好意的な意見の内容がそれぞれそれなりに興味深かった。

私が SNS で読んだ感想では 1969 年当時の女性らのファッションが際立っていい、というコメントがいくつかあったが、確かに男女にかかわらずスマートな出で立ちの方が多い。都会だもんな。しかし、明るい色の服を着こなす女性が多かった。

迷惑を感じているひと、演奏を止めにきた警察官など、彼らは本当にイライラしており、大変そうで心が痛んだね。どういうコンセプトでこういう映像としたのかは不明なんだけど、これも含めてビートルズの軌跡ということだろうかな。

担当の警官は押し問答の末、なんとか屋上までたどり着く。リンゴとポールが警官に気づいても演奏を止めなかったり、軽口を飛ばしたりなんていうシーンも好きだが、全体としてはライブ後-直後なのかな?ーに、スタジオに入って延々とレコーディングするシーンが好き。

オノ・ヨーコがなんでレコーディング中もあんなにジョンに寄り添っているのかは謎で笑ってしまうが、時間が止まったような空間でそれぞれがそれぞれと音楽に向き合っていた。そのままフワッとエンドクレジットに入っていくのもキライじゃない。