おもしろいと思ったお前を信じろ|《映画大好きポンポさん》

《映画大好きポンポさん》を観た。原作も読んだことはなかったし、どういう映画なのかもよくわからずに臨んだ。同日に《劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト》も鑑賞していたので、メタネタが続いた。

メタ映画(あるいは映像)の作品、世の中には腐るほどあるだろうけど、直近だと《カメラを止めるな》がイヤでも思い出される。メタ映画の傑作、誰か教えてください。

本作、ニャルウッドという映画産業が栄える街で有名なプロデューサー:ポンポさんが取り仕切る映画会社がある。タイトルの彼女だ。だが、この映画の主人公はそのアシスタントの ジーンだ。彼は瞳が輝いていないからこそ採用されたらしい。つまり、彼には映画が唯一の光明だろうとのことだ。ふむ。

ナタリーという俳優志望の少女の魅力にあてられたポンポさんは、超本格ドラマティックな脚本を書きあげた。同じタイミングでナタリーを発見していたジーンは、ポンポさんから監督を託された。ほう。

この時点に至るにあたって、ポンポさんはなぜ大作映画の製作にはコミットせずに、B級作品ばかりを手掛けるのか? というエクスキューズも関係してくる。

が、まぁ、はい。

伝説の俳優をアサインしてスタートした撮影は、紆余曲折を経て完了する。数十時間におよぶ映像を作品に仕上げるための作業に取り掛かるジーンの苦悩と決断が本作のハイライト、と言っていいのかな。うーむ。

これ以上を説明すると、なんかあらすじを並び立てるみたいになっちゃう-もう十分そうなっているけれど-、なかなか難しいな。

結論…、ではないけれど、ポンポさんは B 級志向というよりも、いろいろな意味で新しい映画を模索しているということと思う。が同時に、映画内ではそれがあまり明らかではなかったようにも思う。上映時間-映画の長さについての問いかけは用意されていたが、それ自体も別に目新しさは感じない。

ジーンの格闘をイメージ化したシーンについても、縦横無尽に回るフィルムたちを彼が裁断するなどのことが描かれるが、いや、お前が向かっているのは編集ソフトを起動した巨大なディスプレイだし、映像は全部ハードウェアのなかじゃん、というツマラナイ感想が、どうしても残ってしまった。

ジーンは古い名作も好きだし、一方でこれから新しい映画を作る監督として羽ばたいていくという面もある。「故きを温ねて新しきを知る」じゃあないけど、そのへんの繋ぎが、ポンポさんの祖父のペーターゼンくらいしかなかったかな。ポンポさん自身にも仮託されているといえばそうなんだけども。

難しいな。映画の感想ではなくなるかもだが、そもそも娯楽その他の時間を占有する対象が増えたので、長い映画は敬遠されるようになったという説自体、自分はあまり信じていない。

別に昔だって 1 日の半分以上を潰すような、たとえば 6 時間の大作映画を観るなんて、ちょっと躊躇してたでしょ、絶対。そこに時代性はあまり関係ないのでは。時代による作る側の感覚の問題だったり、あるいは鑑賞者が単純に映画が好きか嫌いかのレベルの差であったり…、と言うと元も子もなくなってくるが。

ついでのようだが、ジーンの同窓生の格闘は、完全に映画オリジナルの脚本らしいけれど、なんというかこういうウソっぷりは自分はキライではなかったし、なんなら本作を映画たらしめているのは、この部分なのではとすら。

なんかネガティブな感想を並び立てた結果になったけど、映画自体はメチャクチャ面白かったので、鑑賞できてないひとは損してます。めっちゃおもしろい映画です。

ポンポさんが可愛いです。