前回の記事に続いて「ティアーズ オブ キングダム」の話を続ける。

ゼルダでおなじみらしい爆弾は、「ブレワイ」では樽爆弾、爆弾矢、そしてシーカーアイテムの丸形、四角型の2つの爆弾と彩られていた。メインはシーカーアイテムだが、モンスターらと戦うようなシチュエーションには樽爆弾がさりげなく置かれており、プレイヤーがそれなりにゲームを進めると爆弾矢が手に入るようなレベル感でデザインされていた。

シーカー爆弾は威力が低く、どちらかというとスイッチや誘爆、謎解きや岩石砕きが主目的になるように収束していき、樽爆弾は常時利用できるアイテムではなく、そして爆弾矢は単純に強い。これだけ撃ってりゃなんとかなる。入手が少々手間というだけだ。そしてこれがミソだった。

で、今作だが、いちおうはゾナウアイテムにタイマー爆弾が用意されており、―ということはこれを活用することで摩訶不思議なプレイが可能になるということと思うがそれはそれとして―、樽爆弾は依然としてあるものの、アイテムとして爆弾然とした爆弾は無くなった(ゾナウを除いてだ)。

で、ここに登場したのが「爆弾花」だ。もともと「スクラビルド」なるシステムがウリの今作は、アイテムのかけ算が前提になり、下手しなくても管理しきれないくらいの素材アイテム、そこから生まれるアイテムがある。

このシステム側からの要請の結果ともいえるのだろうが、こうして爆弾花は誕生したのだろう。なんかしらんけど、素の状態でも刺激を与えるとえらく爆発する花なんだよ。間違って殴ったらその場で爆散します。ふざけんなよ、こんな花があっていいのか。楽しいにきまってるじゃんね。

アイテムとして投げれば高威力の爆弾として機能するし、矢につければブレワイでいうところの爆弾矢として機能する。おそらく他にも活用の道はある。

そもそも 3D でのオープンワールドという制約(ほいほい爆弾が落ちててたまるかという話と、何らかの方法で頻繁に入手させるには煩雑)、つまり、それなりに使う爆弾というアイテムとしての利便性、今作での各機能のバランスを考えたとき、爆弾も採取素材(植物)にしちゃえば解決じゃん、という解決策には恐れ入る。

そもそも「ブレワイ」の制作テーマの「アタリマエの見直し」にて、便利なアイテムをステップで登場させるのでなく、序盤でワーッと出しちまえ、というのがあったという話は有名だが、今作もその精神性は仮に部分的にとしても継承されたと言え、その象徴が爆弾花であることと、私はそう思った、大仰だが。

で、爆弾花というモチーフや、こういった問題の解決方法、おそらく似たような作品はあるのだろうけれど、前者、まず爆弾花といって思いつくのはメタルマックスシリーズに登場するバイオ(生物)系の敵くらいなもので。そういえば、このゲームのしゃぶりつくせない味わいは、メタルマックスシリーズを思い出させるものがある。

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