マイケル・ベイ監督作品の《アンビュランス》を観た。監督の作品をそれとして積極的に受容した経験はなかったが、《ザ・ロック》、《アルマゲドン》は見たことあったな。トランスフォーマーとかはまったく見てない。

本作は、デンマークの映画《25ミニッツ》をリメイクした作品らしい、という情報が目に入ったけど、下記のインタビューを読むと印象がやや変わる。

これはリメイクではありません。私は『25ミニッツ』を観たこともなく、脚本も知りませんでした。私は自分の映画を撮ろうというつもりでスタートしたんです。でもこのコンセプトはとても気に入っていて、同じコンセプトだと思うけれど、作品としては別物になります。

『アンビュランス』はリメイク映画ではない? マイケル・ベイ監督が明かす製作の裏側

仔細まで触れられていないが、一応は元ネタとしたものの「リメイクと呼ばれるような作り方ではない」という認識だろうか。「救急車に銀行強盗が乗り込む」というアイディアが先に実現されていたので、原作としてクレジットしたという位置づけだろうか。私の憶測なので詳細な事実関係はわからないけれど。

いつものようにダラダラと書いていく。

救急車と警察車両はカーチェイスできるのか

ものすごいカーチェイスが繰り広げられる本作だが、寸胴な救急車が幾十幾百と追いかけてくるカッコいいパトカーから延々と逃げ続ける。ふと冷静になると奇妙な図で、まぁたしかに救急車も最高時速とかすごい出るんだろうけど、それにしてもと頭が冷静になる瞬間はあった。

そんなことはどうでもいいんだっ!

何本も網の目のように円柱が並んだエリアを、それこそゲームのように潜り抜けていくシーンなんか、否が応でも面白くなってまう。ドライバーを務める人物が超絶ドライビングテクニックを持ってるっぽいけれど、そこも別に細かい設定が明かされたり、示唆する描写があったりするわけではない。『D-LIVE!!』をハリウッドで映像化してくれないかなと思ったりしたけど。

まぁとにかく勢いが勝利する

ドローンなんかも大活用されてて、画面酔いしかねないシーンも数えるほどあるので、劇場の大スクリーンで楽しむのがオススメである一方、やっぱり、この手の B 級超大作はぜひとも TV の画面で見たいなという贅沢さもある。

それぞれのキャラクターの個々の設定も悪くは無いが、あくまでアクション映画の根幹的な設定の補助線以上のことはなくて、突き詰めようがない。良くも悪くも画面で起きていることがすべて。

とにかく犯罪者の逃避行も、あり得ないような車中手術も、地元ヤクザのアホみたいな作戦も、とにかく大笑いで、ハラハラと楽しんだ。

全体的には情緒もへったくれもないが、いろいろな面で情緒が醸し出される設定にはなっており、妙なエモさがある。これこそが 超 B 級である証かもしれないし、ひとによっては敬遠する理由にもなりそう。

破壊されずに残ったものの映るシーンが全体的には印象深かった。

なんか上映館がどんどん減ったみたいで、そろそろ映画館では見られなくなりそうではある。

《ブラインドスポッティング》を観よう

主役 2 名の関係だが、《ブラインドスポッティング/Blindspotting》(2018)を連想する。義兄弟あるいは本物の兄弟然とした白人と黒人のコンビが、そのバックグラウンドに苦味を抱えつつ、やりくりしていく。

《アンビュランス》では苦味が強かったが、《ブラインドスポッティング》はギリギリで踏みとどまっている。興味を持たれたら是非みてほしいなという作品だ。と思ったら、感想をここに残していた

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