バックロットとは何ぞや|『アメリカ映画の変革期-サイレントからトーキーへ』斎藤英治

ヒッチコック映画の情報を浚っているとき、インターネットに転がっている紀要論文らしきものを見つけた。

この事実だけ記録して、内容は放っておいたのだが、溜めていた情報を棚卸しようと機会があって読んだ。おもしろかった。

「バックロット」という用語を知らなかったが、要するにスタジオ撮影の延長線上にある張りぼての町を指すらしい。太秦映画村なんかもバックロットの一種なのではないかな。

で、このバックロットの誕生の背景には、サイレントからトーキーへの移行がもたらした撮影環境の精確さの要求がひとつ、大量生産時代の製作需要、特にそれらはスケジュール管理にかかわる問題として集約される、というようなことがあったらしい。で、要するにはバックロットのような設備が求められたというわけだ。

並行するように、美術監督をはじめとした工作班の発展、監督とマネジメントを繋ぐ役職としてのプロデューサー職の誕生などといったトピックが説明されており、これも非常に参考になった。

あるいは、当時の作家らが脚本家として求められてハリウッドに足を伸ばしたはいいが、文藝としての作家性と、大量生産時代に求められる脚本とのギャップに彼らは苦しんだというエピソードも、なかなか興味深い。フォークナー脚本の映画というのも興味があるが、鑑賞は難しそうだね。

斎藤英治の情報も一応、メモしておこう。