やり場のない怒りをそのまま解放したい|《サイコ・ゴアマン/Phycho Goreman》

《サイコ・ゴアマン/Phycho Goreman》を観た。藤本タツキが絶賛というのも大きな印象を与えるが、いわゆる B級ホラー(でいいのだろうか)としてカルト的な人気があるらしく、行けるタイミングもあったので予約して訪問した。

上記、公式サイトの URL 、HTTPS になっていないのであんまり踏みたくないですね。

当該のシアターでは最終上映日であったらしく、既存ファンで大盛況、劇場の用意したアトラクションやサービスもてんこ盛り、初心者が紛れ込んでいい環境だったのだろうか。この熱気に気圧されてしまった。

よくできた映画だった。そう言えるのではないでしょうか。ゴテゴテの特撮感が-自分の認識する限りでは、狙い通りに効いている。

特には、クライマックスで敵役の身体を切り裂き、宇宙最強の剣を製錬して、それでもって切り払うところは絶頂でしたね。ほどよいグロテスクさと、ほぼほぼ王道な熱さが不思議な化学反応を起こしていた。

そしてラスト、愛を知ったゴアマンが「今後は気兼ねなく宇宙を破滅に導ける」みたいな謎の論理構成で、どっかの街へワープして破壊行為に勤しみ始めるシーンが、個人的には最高にクールで笑えた。

主役の兄妹はいいとして、両親がここまでストーリーに絡んでくるとは当初は予想しておらず、その点には驚いた。脳みそクンの出自も驚いたけれど。

ところでスーパー肝心な元部下とのシーンは、画面の閃光によるダメージを受けて、記憶がところどころ飛んでいる。大失態である。配信されることがあれば、復習しようかなといったところだ。

笑いどころについて

笑いどころったって、各々が面白いと思ったシーンで笑えばいいのだが、熱烈なファンたちには一定の流れがあって、これは作品を観るのが遅すぎたなと後悔したひとつだ。体感的には、父親のぼやくシーンが大抵ツボとなっているようだったが、どうだろう。

個人的には父親のぼやきはそこまででもなく、むしろ父親についてならラストのひと言、無人になっている工場との因縁がおもしろかったな。

笑いという点で無視できないのが、主人公としてのミミだけれど、これは笑いと恐怖、それこそ「サイコ」感が一体となった強烈なキャラクターで、彼女は扱い難し。

家族とヒステリーのような

ひと目したところで「家族のメロドラマになっていなくてよかった」という感想に出会ったが、なかなかどうして、サイコ・ゴアマンこそ話の中心だが、兄妹や家族の話に収束したように思う。

で、似た印象があったと感じた作品があって、それは《ヘレディタリー/継承》だ。これはホラー作品ではあるけれど、家族がアレヨアレヨトいう間に混沌に巻き込まれていく、というところで、怒りか恐怖かは別にして母親が、どえらいアクションに踏み切らざるを得なくなっていく。何だろうか。

あるいは《聖なる鹿殺し》も連想された。家族が怪異のような現象に巻き込まれ、四苦八苦する。私が比較的に直近で鑑賞した映画としては、これくらいかな。こちらの作品は、怪異の原因も中心となるのも父親だけれど。

家族がゴチャゴチャする映画というと、一気に雰囲気が変わるが武田鉄矢主演の《とられてたまるか!?》なども古い記憶ながら思い出させられる。コメディ? ギャグのような作品だったと思う。

とまぁ、なんでもいいのだが、家族が巻き込まれ型の作品という類型というのは、何かしら研究もあるのだろうけれど、どういうまとめ方ができるのかなと気になった。

《シャイニング》も家族モノだけど、ちょっと毛色が違う気がしている。