湯浅ヒトシを読んでビックリした

Kindle Unlimited に収録されているコミックを漁っていたら『けずり武士』が異様におもしろく、ビックリした。湯浅ヒトシというマンガ家を知らなかったことを悔いる。Wikipedia には個別のページもなかったので、さまざまに転がっている情報をかき集めるのみである。一応、主な発刊作品は以下のようであるらしい。なお、おそらく『B級探偵』以降の作品は Kindle Unlimited で全巻が読める状態となっている(本記事執筆2020年10月5日時点)。

  • 『田舎刑事』(1986?)
  • 『凶獣よ荒野へ』(1987?)
  • 『次太郎部屋住録』(1888?)
  • 『田舎市長』(1989?)
  • 『左京SAKYO』(1990?)
  • 『B級探偵』(1990?)
  • 『ホイッスル』(1993-1995?)
  • 『かぶきの多聞~大江戸痛快時代劇~』(1996?)
  • 『耳かきお蝶』(2005-2008?)
  • 『けずり武士』(2011-2012?)
  • 『空拳乙女』(2012-2013?)

上記は、 まんがseek の湯浅ひとし のプロフィール および Amazon その他の雑多な書籍情報から集めた内容および類推(誤記らしきものの修正)なので、まったく出鱈目になっているとは思わないが、必ずしも正確な内容ではない。

また、まんがseekに拠ればデビューは 1975 年とのことで、途中までは兼業作家だったのかな。さらに生まれは 1956 年で今年で 64 歳になるようだが『空拳乙女』以降に作品を出しているのかも不明で、ただ残念である。なお、『耳かきお蝶』以前は「湯浅ひとし」名義であったようで、以降は「湯浅ヒトシ」としたようだ。

「かぶきの多聞」以降に時代物(江戸から幕末、明治維新までかな)に本格的に着手されたようで、時代物についていえば現時点で『耳かきお蝶』と『けずり武士』を読んだ。『けずり武士』がタイトルを「削り節」と掛けていることからも察せられるが、時代に翻弄される浪士たちを描いたシリアスな本筋に、江戸当時の食文化が丁寧に絡んでいる。

この塩梅が絶妙で絶品なのよ。説明も難しいし、これ以上ここでは振れないが、とにかくよい。

ところで、時代物のコミックも、史実にオリジナルを混ぜ込みつつ、考察の余地というか学習マンガのような側面が明らかに認められるタイプがあるように思われ、いうまでもなく『風雲児たち』を念頭に置いているが、これらを「歴史もの」呼ぶなら、『けずり武士』をここに括るにはやや大胆か。これらのサブジャンルの分類って確立してなさそうだけど、熱心なファンおよび研究者とかどれくらい居るんかね。

その他は『空拳乙女』、『ホイッスル』を 2 巻まで読んだ。どちらもおもしろい。それ以前のどちらかというとハードボイルドっぽい内容?、および絵柄の作品はまだ読めずにいるが、機会を見て読みたい。

段々と話がずれていっているが、「ひとし」という名前のマンガ家というと岩明均を忘れてはならない。こちらは生年が 1960 年ということで湯浅ヒトシとは 4 歳差か。大雑把に同年代と括っても問題はないだろうか。60 歳代のマンガ家というとどの辺なのかなと思いあたる作家を調べると何だかんだでいろいろな発見がある。おそらく週刊少年サンデー最盛期といっても過言ではない時代の作家さんたちはこの年代が多いのではないかな。こち亀の秋本治もこの世代か。