《バルカン超特急》(原題: “The Lady Vanishes” )を観た。まぁ、ヒッチコックを手軽にみられる作品だけでもキチンと見ようという企画の 2 作目だ。

原題は直截で、内容が想像される。こちらも《The 39 Steps》と同様に原作があり、『The Wheel Spins』という作品らしい。小説原題と邦題では列車の話と想像しやすいが、映画原題はそうでもないのが面白い。原作小説がどれだけ売れていたかも関連しそうだが、どうなのだろう。《The 39 Steps》でも列車のシーンはちょろりと出てきたが、本作はほぼ全編が列車内での出来事だ。

展開はほぼ予想内だったが、冒頭の事件が何に関連していたのか具体的なところを読み切れなかったのが微妙に悔しい。

高速で移動している車中の出来事とあって、ところどころで車外からの風景が映ったり、風だの蒸気だのの演出が入る。

いくつかミニチュアっぽいなというシーンがあったが、やはりミニチュアであったらしい。ギルバートが車外から隣室へ移るシーンは、スクリーン・プロセスなる技法が使われてるのではないかという記事をみた。はぁ、そういう方法があるんだっけ。まぁ色々と手が込んでいるというワケ。

個人的におもしろかったのは、行方不明になったはずのフロイさんが残した証拠が消えていく過程で、車窓に書かれた「フロイ」の文字がトンネルに入ったときの外気温の変化(だろうと思う)で消え去るシーンと、彼女の使った茶葉のラベルが車窓から車外に捨てられたとき、一瞬だけ窓に張りつくが、すぐに飛んで消えてしまうシーンがよかった。列車というシチュエーションが存分に生かされている。

手軽に見られるヒッチコックシリーズ、イギリス時代編はこれで終わりになりそうだ。次回は《海外特派員》かな。

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