辛口はアクセント、なんとかせんと

《よこがお》という映画をみて、なんとなく他の人の感想を漁りたくなって、いつもはFilmarksをぼんやり眺めるくらいで、今回はどうしようかなということで、Yahoo!映画 でいくつかの感想をみてみた。

Yahoo!映画だが、割と辛口なコメントが多い。Filmarksは逆に、高得点(好意的)な感想が多く、これはこれで辟易とすることもあるのだが、やっぱり、感想はヘタに辛口を吐くよりもポジティブなほうが害が少ないなぁと思ってしまった。

おもしろいのは「リアリティ」の捉え方で、いくつかの描写に「こんなのはあり得ない」というコメントが複数あった。御説、ごもっともでございます。観客が「リアリティのなさを理由に映画に入り込めない」「おもしろくない」というのも、究極的には制作側の下手となるのだろうが、その線引きをどこに設けるのか。「あえてリアリティを外した演出なのだろうが、上手く作用しているとは思えない」という指摘なら分かるが、そういう例は少ない。

たとえば、今回観た映画ではないが、 私は今年の映画《新聞記者》について、リアリティの扱いにだいたい失敗していると考えている。この作品は社会派、と言ってしまえばそれまでだが、実際に起きている事件などを題材にしており、攻めた姿勢がウリのひとつのはずだった。ではあるが、少なくとも作品内の事件の展開や幕引き、各機関やメディアの描写のあり方、いずれも微妙にファンタジーしていて硬くない。私がターゲットではないと言えば終わりだが、これで社会派作品はないだろう。

というように、《新聞記者》については社会派作品であるはずという「ジャンル」にもとづくリアリティについてネガティブにコメントしてみた。言うまでもなく、作品をジャンル前提に見る必要はまったくない。むしろジャンル前提にすることの弊害の方が気になるが、リアリティというのはその辺の線引きと関りが深いところもあるのだろう。鑑みてみると、リアリティが外れてて違和感を感じるとき、制作側が本来は意識していない側の視点で眺めているのかもしれない。いずれにせよ、生産的な消費をしたいものだ。