まだ上映中の映画なので感想をあげてしまうか迷ったが、このタイミングであげないと多分止めてしまうのでアップした。

http://ghostland-sangeki.com/

カナダの片田舎で起こる恐怖。設定のひとつに《Don’t Breathe》(2016)に似ているところがなくもない。ホラーの定番的な設定といえば、おそらくそうだろう(そこまで詳しくないけど)。というと、多少のネタバレになってしまうかもしれないが、まぁホラーの仕掛けとは別のところなので許してください。で、この設定は微妙というか、ちょっと社会批判みたいなところものあるのかなとは思うけど、どうなんだろう。これ以上は触れないけど、人を選ぶところは大きい(ホラーでそれを言うかというツッコミはあり得る)。

最低限のあらすじとしては、空き家になった伯母邸に越してきた母と姉妹(ヴェラとベス)がある事件に巻き込まれ…、という感じだ。

上記とは別に、トリック的な仕掛けがあり、まぁ巧いのだが、さまざまに想定されるパターンから遠く外れているとも言い難く、個人的なビックリ感は少なかった。難しいよなぁ、たとえば《カメラを止めるな!》(2017)だって人によってはビックリ感ないだろうけど、あれはあれで個人的には劇場で見たときに新鮮さを感じたものだ。といった感じで、驚き成分としてのトリックの作用はそこそこだ。だが、それを含めた演出および作中の没入感はよくできており、最後まで楽しめた。

なお、ラヴクラフトが作中で扱われているが、そこまで詳しくないのでどれくらいオマージュされていたりするのかは分からない。あと、「ゴーストランド」って地名っぽいんだけど、実在はしないようだし、本作はゴーストはあんまり関係なさそうだし、これもよく分からない。

姉妹はなぜホラーするのだろうか

ホラーと姉妹というのは、《The Shining》(1980)を連想してしまうが、こちらは驚かす側の人物たちだ。双子のような気もするが、彼女らは姉妹という設定らしい(以下の記事で確認した限りではあるが)。

https://www.eiga-square.jp/title/the_shining/scene/2

私の知る限り、直近だと《ゆれる人魚》The Lure(2015)は、ホラーというよりはアダルトなファンタジーといった感触があるが、人魚の姉妹が主人公となっている。これも別に人魚の姉妹がホラーに巻き込まれるというわけでもないな。

2016年の《RAW〜少女のめざめ〜》RAW でも姉妹が主人公となっている。こちらはベジタリアンの娘が無理やり肉を食べさせられた結果…、というあらすじだが、これも別に…、まぁいいや。

とにかく、ホラーと姉妹というのは相性がよさそうだというメモを残しておきたいのさ。なんなんだろうねぇ。たとえば、そもそもホラー映画の主役に女性が多いとすれば(そうなのかは知らない)、なるほど親子よりも友だちよりも兄弟・姉妹を選び、そのなかでも姉妹関係を描くのがおさまりがよい、という理屈は成り立ちそうだ。

本作の惨劇とその時間経過について

本作、時間の経過がよく分からない部分がある。終盤に少々ヒントが提示されるが、明確な判断はできなかった。

そもそもヴェラとベスの姉妹には若いタイミングと大人に近づいたタイミングとで、それぞれに2人ずつ配役されている。で、オープニングから惨劇発生までと、惨劇の途中から結末までで役者が切り替わるのだが、最終的にはどれほどの時間が経過しているのか割と微妙だ。ではあるのだが、上述のヒントについての私の解釈が正しければ、おそらくそこまで時間は経っていない。

そこでおもしろいのは、惨劇の途中からは大人の役者が演じている点で、そのまま結末するのだ。これは上述のトリック的な仕掛けも関連しているのだが、撮影上の意図や物語的な意味づけはもう少しはされているだろう。これ以上は書かないが、その辺りもそこそこおもしろい。

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