2022年の年末に《奈落のマイホーム》を観た。

韓国の映画で、原題は『싱크홀』であるらしく、意味としては「シンクホール」ということなので、そのまんま「陥没穴」というやつですね。調べてないけれど、英題も “sinkhole” のままなんじゃないですかね。

《パラサイト 半地下の家族》の原題も単純に「寄生」だったと記憶している。英題も “Parasite” だったんだっけな。こう思うと、邦題って凝りがちだなとあらためてなるが、しかし流石に原題そのまんまでもなぁ…。

とも思ったけど、ビートたけしの『花火』とか、観たことないけどこのうえなくシンプルなタイトルだね。タイトル道も険しい。

で、《奈落のマイホーム》だがコメディ半分、ドラマ半分という体の作品で、《エクストリーム・ジョブ》なんかもそうだけど、韓国映画は日本映画よりも、この手のコメディが上手いですね。

実際に起きた事件をアレンジしているようだけれど―数年前はよく報道されていた気もする、そこは映画的な創作感があって、良くも悪くも B 級映画的な部分もあった。

韓国の都心からそう遠くない住宅街に新築のマンションの部屋を買った主人公一家だが、シンクホールの発生によって、なんとマンションごと数百メートルレベルで地中に落下する。主人公らとともに何世帯かが地下に取り残されるなかで脱出を図るパニック映画だ。《ポセイドン・アドベンチャー》などに似た感触である。

最後、どうなるのかなとハラハラとみていたが、なるほど、そうやって帰るんかと納得できたし、クライマックスもドキドキの展開だったので、よかった。話の展開を詳らかにしてまで語りたいこともそこまでない。

韓国映画、日本に近いからか逆に翻訳(字幕)が不思議なことになりやすいのかもしれない。主人公の勤める会社の部下たちも事故に巻き込まれるのだが、女の子が数歳上の上長である男の子を「代理」と呼び続ける。

この「代理」は、「課長」とか「係長」のような役職名らしく、たとえば同じシチュエーションで日本で撮影したら「係長」みたく呼ぶんだろうかと思わなくもなく、そこまで想像すれば違和感もないのだが、慣れないので、なんとも奇妙に見えた。もう少し別の文化圏だと、どう訳するんだろうか。

ということで、クライマックスが特に好きな映画ですね。ちょっとファンタジーっぽさとほろ苦い要素も織り込まれていて、これも悪くない。そんなにすべてが万事上手く行くわけもないので。

エンディングのシーンは、取ってつけたような雰囲気であったが、まぁこれもこれで。無くてもいいけど。

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