映画:《コードギアス 復活のルルーシュ》

全3部作の最終作で、前2部が本編TVシリーズの再編版となり、本作はその後の物語となっている、ということでいいと思う。

前2部は見ておらず、本作だけ観た。本編TVシリーズのラストで亡くなったはずの主人公が実は生きていた。という経緯はアニメ雑誌に掲載されたビジュアルで何年も前からみんな知っていた。というわけで、こういった形の続編はタイミングの問題だけだったと思われるが、平成最後の年に制作・公開されるということになった。

全体的な構成としては、本編TVシリーズ冒頭での主人公ルルーシュとパートナーCCの契約にどう決着をつけるかというところに焦点があった。今回は登場人物にフォーカスして感想を残したい。

女の子らしいなぁ、CC

というわけで、CCがかなり可憐に描かれている。本編TVシリーズでは「魔女」と呼ばれるようなミステリアスな存在であったが、本作ではかなりパッションがあり、能動的かつ健気で、女の子のようになっている(女の子だが)。

と、上記の主旨のとおりなので理解はできる、が、前2部を見ていないこともあるからか、少々途惑う。

そんなCCだが、EDでとうとう最大の笑顔をみせて微笑む。あー、これがこの話の終着点なんだなぁという実感が湧く。笑顔のキッカケもクサいながらも気が利いていて、シリーズファンなら楽しめたのではないでしょうか。よいですね。

ついでにここで言っておくと、本作のキャラクターデザインだが、髪の毛のデザインの変化が大きくみえた。CC について言えば、本編TVシリーズ時よりも前髪の分け目が多い。これが気になって仕方がなかった。ほかにもたとえば、ロイド博士の髪の色、コーネリアスの髪のボリューム感にも違和感が大きかった。キャラクターがやや縦に細長くなっている。もともとのキャラクターデザイン、CLAMPの画風に寄せた感じとも言えるのかもしれない(よくわかってない。

ナナリー、薄幸の妹よ

私は大体の場合、か弱い妹キャラを好まないのだが、ナナリーには同情を禁じ得ない。本編TVシリーズ最終話での彼女の絶叫には涙したものだった。ナナリーはとにかく悲劇の主人公を体現しすぎている。

結局のところ本作でも「ナナリーを救う」がストーリー上のメインテーマとなっている。罰ゲームですか? そのうえ、超合衆国のマスコットを努めなければいけないというのは、なんという罰ゲームなのか。なぜ生きていることがわかった兄と、少しでも多くいっしょに居させてあげられなかったのか。

後段でのシャムナについての感想でも書いたが、本作は家族の距離感がかなり重視されていて、ストーリーの目的としてもナナリーは犠牲になるしかない。同情しないわけにはいかんやろ。

諜報部員となった、カレン

諜報エージェントみたいなことやってて笑ったが、後半で黒の騎士団が登場するので、組織自体は解体されていないらしい。本編TVシリーズのEDで学生に戻っていたから、暴力的な世界からは完全に足を洗ったかと思ったが、そうもいかなかったということかね。

ルルーシュ復活をして泣きくずれたシーンが唯一の掘り下げだったと思われるが、まぁこんなもんだよね。戦闘シーンも輻射波動機構をバシッと決めてくれたので、とくに文句もございません。

立場的には、CCを後押しする役割ではあったか。今シリーズの前2部を見ていないので細かい整合はわからないが、ルルーシュが死を選んだことの真意に最初に気がついたのも彼女だった(黒の騎士団内で)ことを考えれば、サポーター役のような立場になってしまったのはやや残念ではある。

枢木スザク、ルルーシュと戯れる

ルルーシュを想う以外にストレス解消になることがないんじゃないかと心配したくなる男、枢木スザク。中盤までは牢獄におったので活躍しなかったし、中盤以降もこれといって目立った場面はなかったかと。

愁眉は、やっぱりルルーシュとの再会シーンで、2人がじゃれあってくれると見ている方も安心するよね。これがコードギアスですよ、ってなもんでさぁ。現時点でのルルーシュはいくら殴ってもすぐに回復すると思われるので、その点はスザクに分が悪いのかもしれない。という下らないジョークは置いておいて、やっぱりスザクがゼロを纏うのは違和感があるので、本作はオマケ要素が強いなと思ったりした。

いや、我々は本作におけるスザクの扱いについて、もっと積極的に問題提起していくべきなのではないだろうか。

よりよい明日を、シャムナ

本作のラスボスですね。しかし、本編TVシリーズ最後のシュナイゼル戦もそうだけど、ちゃんと指揮官の頭脳くらべ(ギアスというズルっこ込み込み)で〆てくるのは、よくできている。

シャムナの能力と目的も、シャルルに対したルルーシュの解答のバリエーションとしてそれなりに納得しやすい。そういう意味では、弟シャリオ君を含めて、敗北が決まったときには邪なイメージで描写されていたことが気になる。どうして彼らの願いは世界からすら邪なものとして否定されたのか。

そもそも、彼女の姉弟は、ルルーシュ兄妹へのカウンターとして提出されたと考えると、兄(姉)は妹(弟)を邪悪な世界に関わらせなかった(関わらせた)とか、そもそも守る対象のスケールが違い(家族/国家)など、いろいろと比べやすくなっている。

しかし、戸田恵子さん、すごいですね。妖艶である。

制服を着用しないルルーシュ

もはや学生じゃないルルーシュは制服を着ない。本編TVシリーズが学園ドタバタものとしての側面を持っていた一方、本作はその後の物語なので、もう制服は着ない。とはいっても、やっぱりルルーシュの服装で1番しっくりくるのって、アッシュフォード学園の学生服姿だよね。となったとき「なるほど、もはや物語は学生が主役ではないのだ」と、一抹の寂しさをも感じさせられる。

自我を失った状態から、Cの世界で、どうやって復活したのかの詳細は、描かれなかったな。ヒーローは死んだと思ったとこからヌゥッと立ち上がるということで十分なんだろうか。

エンディング後、あのあとルルーシュとCCが、かなーり長生きするんだろうと想うと、このシリーズへの愛おしさが募る。

その他のよしなしごと

ひとつ。決着戦の戦闘シーンは、場面のカットを使い過ぎたなと思う。Cの世界でのやりとりと現実での戦闘が行き来しまくってて集中しづらかった。ひとつひとつの戦闘をしっかり見たかったなぁ。

ふたつ。これも前2部を見ていないのでわからないが、扇さんの立ち位置ね。TVシリーズ最後のほうのパフォーマンスで大ブーイングを食らっていた記憶があるが、再編版はどうだったんだろう。安直に死んで償おうとする、そういう単純なところがお前はダメなんだよ……。

みっつ。観ていて何となく「00ガンダム」を感じるところがあり、地球での問題をあらかた語りつくしたとなったので、今度は……、という妄想をしてしまった。というのも、Cの世界の残存物が破壊されたとき、流星みたいなのが降り注いだのは何だったのか? と深読みしたくなるよね。

よっつ。入場者プレゼントで A6 サイズ(でいいのかな)のクリアファイルをいただいた。このサイズ、割と使い勝手がいいよね。