6月はティアーズ オブ キングダム についてしか書かないと述べたし、実際にはそうなった。本当のところは、もっといろいろと書きたく、そのつもりだったが、そもそも6月の後半はゲームどころではなくて、どの話をするということもできなかった。

とはいえ、6月半ばにはクリアするつもりでいた。

6月の前半時点でメインストーリーとなる4つの神殿のうち残り1つ、風のボス戦を残す段階にはいた。ゴールは近いが、もう少し探索したい、うろちょろしたい、というなかでタイミングを計っていたら、後半はゲームどころではなかった。

結果、2023年7月12日にクリアした。プレイ開始が5月20日なのでひと月半くらいだ。

もともと飽き性なのと、つまらないなと感じたり、まとまった時間がとれなくなったりすると平気で投げ出す体質なので、ゲームをちゃんとクリアすることが少ないが、前作に引き続いて今回もなんとかクリアにはこぎ着けた。

6月に書いた雑文以外にも書きたいことはいろいろとある(あった)が、少なくとも今回は、クライマックス付近からエンディングまでの思い出にネタを絞る。

ハイラル城のゼルダを意図せずして無視する

神殿も押さえ、ハイラル城に乗り込もうと思ったが、その方法である。おそらく鳥望台が正攻法だが、プレイ時点でその発想に至らず、近くにある板とアイテムを組み合わせるなどで登るのがベストかと勘違いした。そしてその方法を避けた。

深穴の中央からせり出す岩からトーレルーフできるもんだと思い込んで、地底に迷い込んだというのがオチで、あれよあれよと進んでいくと、なんか最終戦が始まった。始まってしまったものはしょうがない。下準備も対策も無いので利用可能なハートが10を切っており、なんやかんやと粘るものの、軍団のラッシュの終盤でこと切れる。

踏まなくていいネタバレ的な要素をひとつ踏んだ結果として、城のゼルダを無視するとこっちでの軍団戦の苦労がちょっとだけ増える、という学びを得て地上に戻る。

ハイラル城を巡る

開き直って地底のゴーレムから手に入れた2艘式気球でハイラル城に乗り込む。まだ鳥望台には気づいていない。バカと煙はなんとやら、城の頂上やらなんやらでコログに会う。城内だけで結構おるやろな。歩き回ってやたらとコログに会う。前作の懐かしいトロッコに乗る。そこらじゅうを見学、探索する。モンスターらを倒す。

ようやく散歩が終わったのでゼルダに会いに行くと、なんやかんやで戦闘が始まる。ここまでの経緯で何が起こるかは察せられたが、散歩し終えた城内をまた練り歩くことになったのは痛かった。別に構わないのだけれど。

しかし、思い返すと、前作のハイラル城内がどんなだったかあまり覚えていない。特に王の間はあんなんだったけか。図書館や食堂、牢などの違和感は小さかったが、どうでしょうね。変更もほぼ無いとは思うんだが。祠はあるだろうと踏んでいたが、設置された位置がまた微妙でな。まぁ上にも下にも行きやすい場所ではあった。

ふたたび、地底に戻る

無事にゼルダのイベントを終える。パーティーにミネルは既にいる。

地底の最奥、最終決戦やなというエリアにふたたび移動するのが面倒だったので、上述のタイミングで、飛び込み台の手前にワープマーカーを拵えてあった。ので、最終戦には直接向かった。ゼルダとの面会@ハイラル城も済んだので、最初の軍団戦よりは楽になるという見通しも立っており、割と気楽だった。

軍団戦はさほど苦労せずに終わった。

ミイラ姿のガノンとも戦うのかと思っていたが、そんなこともなく。あの状態のデザインも好きだったが、気合で復活しよったな。しかしである。万年前の賢者6人が敵わなかったガノンに、それが病み上がりとはいえ、最終的には1人で立ち向かうリンク君、君はいったい何者なんだい。ポテンシャルがヤバいだろ。

退魔の剣がヤバいのかな?

ガノンがラッシュで攻撃を仕掛けてくるかはしらんが、ジャスト避けはする。このジャスト避けも多分だけど、決戦の段階で精度がよくなっていったのではないか。最後の方は下手くそなりにこちらの攻撃が全然決まらず、焦っていた。焦っていたので、最後の一撃は弓に頼ったよね。切なかった。

相手のゲージが振り切れる演出も(実際にゲージ増加分だけ正確にHPが増えていたのか否かは気になるが)、リンクのハートが割れるだけでなく文字通り消滅していく演出も、なかなか心臓に悪い。まぁでもなんだ、ファントムガノンとの初遭遇時の心臓への悪さほどでないというのは、体験としてはどうなんだろうな。

最後の空戦に舞う

さんざんいろいろなレビューで擦られていると思うが、本作が「飛び込む」とそれに起因する空中アクションに前作以上に注力しているのはたしかで、これは最初から最後まで一貫していた。で、前作のイノシシだかようわからん獣との最終戦とは違い、今作ではストーリーの整合ともすっきり、龍と戦うことになる。ほいでそのためにも龍に乗る。

ブレワイのアタリマエを見直す

いいですか、前作では龍には乗れませんでした。今作では乗れます。ぶっちゃけ、直近で私が気になっている最大のポイントはこれで、他の方の感想で言及を見かけたことがないので主張だけしておく。

おそらくというか当然、制作スタッフも考えたんだろう。「これ龍に乗れんままでええのか?」と。前作で主人公が足を踏み入れられない、絶対に登れないエリアとしては、マップ外、祠内の設備、そして龍があった。ほかにもあるだろうけど。

で、今作、この龍への物理的な接触が解禁されたのである。アホかな? 実際のところはストーリー上の要請が先に来たと思うのだが、とにかく龍に乗れるのだ。龍に乗れば、そのまま採取できる素材もある。なんならずぅっと乗ってられるし…。地底とも行き来するし。そりゃ決戦でだって使わないわけにはいかない。

視点を少し変えて、ボス系の敵から考えてみる。

まず、イワロックは乗れる。ヒノックス系も乗れる(前作より気づかれやすい気がする)。デグガーマも乗れる。風と火のボスは接触できる(水と雷はどうだろう)。とまぁ、接触できるボス系の敵は少なくない。であるならば、龍だって乗れたってエエやろ、載れるはずだろうとなったんだろう。ほかのオブジェクト(中ボスやら)より大きいわけだし、なにより日本には「たつのこたろう」の伝統がある。

空は思ったほど自由じゃないが、龍との空戦を制す

本当の最終決戦の舞台は、大空だ。駆け回って暴れる龍との決戦なので、地上はおろか、空島も上昇気流もクソもないわけだ。よほどの巧者でないかぎりは体力ゲージが持つわけがなく、戦況次第で、しだいにそれが切れる瞬間を待つことになる。

これを救ってくれるのが龍の相棒で、暴龍と戦うために飛ぶ、戦う、避ける、飛ぶ、相棒と協力する。何度も落ちているとさすがに慣れるが、冒頭から予感はあるものの、ちゃんと相棒が拾ってくれるのか? どういう仕組みで迎えに来てくれるのか? いろいろな不安や疑問が頭をよぎる。

この戦闘はどちらかというとエキシビション・マッチというか負ける要素は最小限で、エンディングに向けた準備的な要素が大きいわけだが、それでもラストバトルとして用意された土壌があり、それだけ私も必死になって戦うわけだ。救うべき対象が目の前にいる。相棒と支えあってラスボスと対峙している。

いやいや、すごいよね。クライマックスで通常時と異なる体験をさせてくるゲーム、いくつか記憶はあるけれど、こうもストーリー上の都合とうまく絡ませた作品は滅多にないのではないか。繰り返しになるが、「飛び込む」という要素ももちろんこの戦闘でよく使う。

重力には勝てないけど、水面があれば大丈夫だ

なんやかんやでゼルダが落下していく。そんな彼女を救う。

このとき「飛び込み」をさらに「加速」させる必要がある。ゲーム中に空から急いで降りたいとき、いくらでも利用してきた動作なのだが、なるほどここもプレイヤブルにしてくるか。そういう挙動ができるんだもんな。やらせるわな。

そういえば、本作をそこそこプレイしていると、ダイビングのさなかで流星がそばを落ちていくことがある。このときもうまく加速しないと、なかなか空中で星をキャッチすることは難しい。クライマックスの段になって、なんだ予行演習させられていたのかという気分にもなる。憎たらしいな、任天堂は。

これも、なかなか難しい体験で、加速してゼルダをつかんでしまったら、おそらくゲームが終わるのである。このまま放置してもいいかもしれないなんて思いつつも、彼女に近づく。でも、そのあとも、一筋縄ではいかない。

ゼルダを引き寄せるためには、さらにワンアクションが必要で、一見するといわゆる QTE のようだが、プレイヤーの状況的には別に急がされない。おそらくこの瞬間には時間制限はないので。これも無限に再生してやろうかと思った。プレイヤーが掴むことを決断するまで無限の一瞬が続く。実際には秒で決断しろよという話ではある。

落下地点にある池が、そこそこ小さいのがよい。ゲームの仕組みに従えば、それなりに大きな水面であれば、リンクはあえてゼルダを守る必要もない。そんなことはしないだろうけれど。小さい目標しかないからこそ、リンクは姫を抱えて落ちる。

おしまいはあっさりしている

空前(空中)の体験もそこそこにエンディングはサラッとしたものである。前作もそうだった。任天堂のゲームをクリアまでプレイした経験も然程ないけど、エンディングは割とあっさりしているイメージがある。余白が大きい。

この舞台と設定での続編はいくらでも作れそうだけど、もうこれ以上は姫さまに苦労させたくないという気持ちのほうが強い。詳しくないけど、過去のシリーズでも3部作はやってないだろうし。

というわけで、2023年、わたしのリンクの冒険はひと区切りしたのであった。

ブレワイのアタリマエはどうなった

前作は山登り中がもっとも楽しかった。本作、それを引き継いでいるので、もちろん山登りも楽しい。ゾナウギアなり、トーレルーフなりを駆使すれば、ショートカットできるという工夫も施された。山肌の触感がちょっと違うけどね。

最終決戦に顕著だが、前作の魔獣戦は上昇気流とパラセールからの集中弓矢が基本戦術だった。今作ではパラセールも使うものの、ダイブが無ければ話にならない。深穴落下時が特徴的だが、パラセールとただの落下だけだとリンクを制御できない。正統進化とはこういうことを言うのだなと。

地上の音楽は前作のほうが好きだが、今作は地底の音楽がよい。深穴に落ちるときの音楽は慣れた現段階になっても心臓に悪い。なにより今作、地底の探索が地味に面白いというか、なんなら1番面白い。なんでだろう。

ウルトラハンドはハッキリ言って別のゲームが混ぜられた状態だと思っている。

否定的な意見ではない。この自由さの基盤となっているのが ブレス・オブ・ザ・ワイルド から引き継がれたシステムなので、余計なことは言うもんじゃないが、ウルトラハンドとゾナウギアは単品でゲームになるやつだ。勿体ないとすら思う。

というわけで、これ以上褒めようがないのだが、最高の誉め言葉としても、いくつかの点を考えたうえでも、ちょっと手に余るゲームだったとは言えそうだ。

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