母国と家族と|《ナワリヌイ》

《ナワリヌイ》を観た。

彼のことは報道で目にするくらいで、ロシアの政治活動家というだけのイメージだったが、それはそれで問題ないだろう。2020 年に国内をエアバスで移動中、急病として倒れ、一命をとりとめたが、国内の病院は信用ならず、ドイツの病院に移管されたのちに恢復、活動を再開するに至った。

この映画のハイライトは、彼の急病が命を狙った当局側からの毒殺だったのではないかという疑惑と、その疑惑を白日の下に晒すという、国家機関を相手取った策略がある程度まで見事にハマったという点にあろう。その結果はというと、今後どうなるのかといえれば、未だ希望はあるだろうか。

ロシア当局が無視しようが、否定しようが、どうやらこれが事実であることは確定的であって、世界中で報道がなされたらしかった。これは、あんまり知らなかったので、個人的には恥ずかしい限りですね。

私が閲覧できる中では毎日新聞のフォロー記事がそれなりに忠実というか、それなりに報道している感じなのかな。とりあえず以下の 3 つの記事だけリンクを張っておく。

で、現状では彼はロシアに帰国と同時に収監され、詐欺罪たとか騒乱罪的な容疑で実刑が 9 年になるとか。ろくでもない展開ですね。

ドキュメンタリーのなかでもナワリヌイ自身が指摘していたが、上記 3 つ目のプーチンの反論にもならない弁明がある。これをそのまま受け取ると、プーチンのコントール下にない部分があったのだろうかね、と勘繰りたくもなる。

もしそうであれば、暴走する旧帝国の暴力なんて危険極まりないわけで、実際にそうなっているとしか思えない今回のウクライナ侵略もプーチンが事前に得ていた情報がてんでデタラメだったのでは? という報道もあった。その真実味をさらに強く感じてしまう。

形骸化しているとはいえ、市民が参加する選挙制度をもったロシア連邦という国家の、国内の苦しみもわからないではないが、今回の侵略においては、なんかもっとスマートな立ち振る舞い方はできなかったのかなという心持ちもある。

別にナワリヌイ氏が全面的に正しいという話ではないだろうが、彼の立場からみた歪なロシアの姿というのは、まぁ大体は歪としてみて間違いはない、というのは確かだろうな。

話を映画に戻すけれど、制作にかかわっている会社は 英語版の Wikiepedia を参考にすると以下の 5 社であるらしい。

  • Cottage M
  • Fishbowl Films
  • RaeFilm Studios
  • CNN Films
  • HBO Max

上の 3 つは実働面のスタジオの類だろうか。下は CNN 、ワーナーブラザーズ系の映像会社ということなので、スポンサーレベルだろう。この映画の企画化やら撮影やらにどの会社がどんだけ、どのタイミングからコミットしてるのかは知らんけど、アメリカ合衆国からある程度の労力が注がれているというのも確かなのだろう。

とかく映像としては、ナワリヌイの帰国における空港の様子と、機窓から故郷を眺めつつ苦悩の表情を浮かべる彼の姿が特に印象に残った。

家族について。奥さん(としておく)と、おそらく成人した娘さん、おそらくまだ未成年の息子さんなどがちょいちょいと映る。つまり、息子さんはあんまり映らない。米国かなんかの学校に通っているのかな。娘さんは活動を手伝ったりしているみたいだけど、基本的な生活拠点はやっぱり米国なのかな。

ちょっとこれ以上は調べないけど、やはりナワリヌイ氏のロシアへの愛のようなものは特別らしくて、それは娘からしても特別なものであるらしい。