《THE BATMAN-ザ・バットマン-》を観てきた。過去のいくつかの作品は TV で放送されたときに見たりした。《ダークナイト》に代表されるノーラン監督作品は、どうにも感触が合わず、完走できていない。そういう感じだ。

で、今回だけど、まあ、よかった。よかったと感じた場所だけ挙げておく。今回、ドルビーシネマで観たのだけれど、それがまたよかった。

追悼式

最高だった。画面がキマッてて、そして漆黒ですよ。喪服がどれも美しかった。言わずもがな、誰もかれもが黒を着ているワケですから、この映画の本懐はここだと言っちゃいたいくらい。主人公の出で立ちもよかったし、とにかく黒かった。

このシーンだけ何度でも見たい、まである。

無精髭

主役のウェイン(マット・リーヴス)は髭がそこそこに濃い。マスク装着時も素顔のときも、この無精ひげを隠さないんだよね。映像として完全に生かそうとしている。実際、深剃りするなりメイクで加工するなりすれば、もっと髭は隠せるでしょ、これ。

この無精髭こそが平時と戦闘時の彼を繋ぐんだよな、青臭さも含めて。続編があるとしたら、この髭がどうなっているかは気にしたい。

カーチェイス

爆笑ですよ。カーチェイスの前に戦闘シーンがあるが、そのシークエンスからカーチェイスに移る理屈がねぇ、無いんだよ。なんかダメージを受けたはずのバットマンが消えたと思ったらエンジン噴かしてるし、怯えた敵役はなぜか車で逃亡を決め込む。

なんでやねーん。

全貌は明かされなかったが、バットマンのマシンは割とクラシックカーぽいフォルム? だったのかしら。車も詳しくないのでよくわからないが、リアにジェットみたいなブースターを引っさげてる。バカバカしさが満開ですよ。

で、このブースター部分をやたらと映すんだ。これみよがしに。めっちゃ笑ったね。

アクション映画をそこまで見ないんだけど、なんとなく《TENET》を思い出させられるカーチェイスだった。

その他のことなど

ゴッサムシティの闇というか、ウェイン自身も否応なくそこに含まれており、抜け出せない構図というのが、良い塩梅で示されていて良かった。特に彼の財産管理の杜撰さはという点が響いた。なんだかんだで執事はポンコツなのでは疑惑は残るが。

バットマンがコスプレ野郎でしかない、という違和感とどう向き合うか。目にした感想でこの違和感が拭えなかったというのをよく見た。今更ではあるが、探偵っぽく事件現場に居合わせるシーンも多かった今作では、たしかに意識せざるを得ないタイミングも多いのかもしれない。

なんですかね、自分はそこはもうこの作品世界の世界観として受け入れられてしまったというか、ひとが感じるリアリティなんてなかなか一般化できないね、とだけ。

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