『ビートルジュース』を観る。

人に勧められて見たが、なにやら続編が決まったらしく、運命めいたものを感じる。ティム・バートンの初期の佳作・傑作という認識でイイんだろうか? 1988年の作品ということで、CGがふんだんに使われているが今からみればチープな出来だ。当時にしても工夫が凝らされているようだが、現代からすると味のある作品というふうに見える。悪いわけではない。

冒頭、空撮の町の風景かと思ったら、ミニチュアであった。こういう小細工がにくいね。小高い丘の上に白無垢のような一軒家がある。アダムとバーバラ夫婦の暮らす街と家がそのままミニチュアになっている。そこから物語は始まる。

途端、ギャグのような展開をとって夫婦は亡くなり、2人の理想の住処にニューヨークから都落ちしてきた3人家族が住む。オーソという男性の役回りがよくわからないが、夫婦に寄生している人物、くらいの捉え方でよいか?

アダムとバーバラが、彼らを追い出すために苦労するのが筋で、そこにビートルジュースという奇怪な人物が絡む。

ティム・バートンの映画というと『チャーリーとチョコレート工場』は大人気だったが、個人的には『スリーピー・ホロウ』が好きでね。が、よく考えたら『ダンボ 』(2019)も観ていた。監督の作品の数に比べたら微々たるものだが、案外、観ている。

話はテンポよく進むのでなんとなく楽しめたが、なかでも傑作だったのは最初の晩餐での脅かしだろう。映画のオープニングでも流れたが、野茂英雄の歌ともなった「バナナ・ボート」を歌いながら、テーブルを囲む大人たちが変な踊りを踊らされる。

ひととおり爆笑した。

ビートルジュースの絡むやり取りもおもしろいんだけど、率直にって自分の感性とはあまりあわない。楽しめるひとが居ることはなんとなくはわかるくらいだった。

引っ越してきた夫婦の娘リディアは、アダムらと意思疎通でき、なんやかんやで仲良くなる。彼女は現世に興味がなかった。なので幽霊と交流できたんだろう、というくらいの緩さである。

紆余曲折を経て、アダムら夫婦と彼らは和解したような状態になり、リディアは自転車で学校に通うようになる。なんかしらんが、アダムらと彼女の関係のほうがよっぽど家族らしく、一方で両親らもそれなりに満喫した田舎生活を過ごしている。それらしいエンディングであった。

寓話的というか、奇妙な終わり方だが、これがいいんだろうな。

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