ジョン・フォード、『リオ・グランデの砦』はピンとこなかったものの、ほかの作品のほうが評価が高いということで、それなりに追うことにした。本作はそれなりに楽しめた。ジョン・ウェインもなるほど、カッコいい。乗合馬車で移動するメンツの旅、ジェロニモの部隊に奇襲される危険のなか、ニューメキシコはローズバーグに馬車はひた走る。

キャスト順的にというか、ダラスという女性が主役なんじゃないのかなという話は有名のようだ。彼女がなぜか他の乗客から距離を取られていたか、最初はピンとこなかったのだが、街から追い出された商売女(酒場女)であることが理由らしい。なるほど。しかし、まぁ、彼女からは爛れた感じはない。そういう役柄であり、演出がなされている。

ドライフォークという町、クリスというメキシコ人は奥さんがインディオなので彼らかは襲われないという。へぇー、なるほどな。このインディオの奥さん(Yakima)の役、Elvira Ríos というメキシコ人の歌手が演じているらしく、En mi soledad という歌を歌っている。

下記のブログに歌詞などが載っている。恋人とその土地のことを想った唄らしい。なるほど、ダラスとリンゴの運命を感じさせるということか。なんか町の人に逃げろって言って逃がしたわけでしょ。印象深いシーンであった。

さて、酔っぱらいのブーンという医師が中盤からクライマックスにかけて、妙にかっこよい。なんなんだろうね。ピーコック氏は自分の苗字を繰り返しているのがおもしろい。乗り合いの乗客らの背景はうまい感じにバランスされている。

映画のピークは、流石にインディオたちからの逃走劇と思われる。インディオ側の損耗が大きすぎて、もはや何のための追手なのかわからないのだが、馬も人間も身体をはってエグいアクションを繰り広げる。リンゴが駆けている馬を乗り移っていくのもすごいけど、あれに踏みつぶされたインディオのほうにビックリしたよ。

いつかの TV番組の歴代映画の名作シーンというランキングだとかで、このシーンを見た記憶が蘇ってきた。なんというか、名シーンって、それだけ切り出されても見たことなければ意味ないよな。当時はなんかハデってことはわかったけどさ。

私がいまさら言うことでもないが、荒野が美しい。

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