引き続き、「ティアーズ オブ キングダム」の話をする。

3Dのオープンワールド、マップの起伏を生かした探索と発見の妙は「ブレワイ」から任天堂側も発表していることであり、プレイヤーは身に染みていることでもある。

ついては、自分の数少ない体験からの感覚になるが、この発見の妙は、特にドラクエ3やドラクエ6、メタルマックスシリーズなんかの 2D マップを放浪していて出会う街や設備、拠点などを発見したときの感覚に似ている。

つまるところ2Dマップを冒険しているときのワクワク感だ。

ブレワイが2Dマップでのデモから開発されたという話は有名だし、であればそこから結論を導き出すことも簡単そうだが、2Dゲームで移動中のマップを見渡すとき、それが 3D のオープンワールドであれば視界そのものとなるわけだが、そこに何か気になるものがある必要がある。そのほうがいい。2Dマップではひとマス進むたびに明確に変化するチップをプレイヤーは凝視している。同じことがオープンワールドでも起こせるはずだ。どのオープンワールドゲームもそのことを意識はしているはずだ。

あるいは 2D マップにて、新しいエリアに到達したとき、それがたとえば壁を隔てたエリア間であれば、プレイヤーには3方向の選択肢があろう。ドラクエ3でいうところの「ノルドの洞窟」を例にしたい。この洞窟を抜けた場合、背となる西側には南北を阻む山脈があり、洞窟を出た瞬間のイメージ的な正面は真東となる。加えて、北か南か3方向を選ぶことになる。オーソドックスには南東方向に進んで、バハラタを発見するに至るというような。

これが3Dのオープンワールドの、高台の上だった場合、背後が壁だったとしても見渡す方向はざっと9方向になる。10倍だぞ10倍。2D時代は制作側も3方向に目指すべきオブジェクトを配置するか否かを判断すればよかったワケで、また同時にプレイヤーも「上に行って駄目なら右回って下へ行けばいいや」で済んでいた。これが10倍だぞ10倍。

で、ようやく今回の記事のタイトルの話題になるが、思いのほか洞窟が多い。ていうか、めちゃくちゃ多い。飽きちゃういひとも出てくるんじゃないのかというくらい多い。攻略も面倒くさいことが多い。歩いている最中に、キラキラのウサギみたいなのに出会いたくないなぁというタイミングがある。祠センサーが下方向に反応してほしくないなぁ、というネガティブな願望がある。そういうときに出逢ってしまう。

ブレワイと異なり、それぞれの洞窟にも名前があり、マップにもすべてちゃんと載るようだ。洞窟を踏破する意味、メリット、報酬がそれなりに用意されており、プレイヤーは潜らざるを得ない。というほどでもないが、そこは人間のサガでもある。

微妙だなぁ、と思うのは、壊さなければならない岩壁にこれみよがしに石とほころびた武器が落ちている点で、しょうがないにしても、あからさまな進行用の要素である。ブレワイのときは、こういう仕掛けは最小限だったね。あからさまに爆弾花が咲いているケースもある。

この洞窟の多さ、先ほどの10倍の話でもないが、本作のゲーム内のマップでもいいが、2Dマップに落とし込むと、濃淡の差はあれどたくさんの洞窟が目に入ってくるわけだ。2Dマップでプレイしうるゲームに比したら、その多さは尚更だ。出入り口が複数あるパターンがあるのも、3Dにおける世界のリアリティを前提としては当然だろうので、なおさら奥が深い。逆に、2Dマップのゲームで出入り口がバカみたいに多い洞窟なんて、それこそ洞窟内の構造も含め、込み入った構造にするメリットはプレイヤー体験的に低そうで、ゲーム性とは妙なものだとあらためて感じさせられる。

…話がとっ散らかっている。ハイラルには洞窟がたくさんある、ただのそ事実だけがある。

ここで、無理やりに締めくくると、3Dマップ、オープンワールド、アクションゲームにおける行動、探索の対象となるオブジェクトのあるべく数、マップ上での分布、その攻略に見合うリターンというのは、本作こそが最適解とも思わないが、かなり奥が深い話なんだなぁという漠然としたイメージが浮かんだ。

私はブレワイは登山ゲーだと思っている面があるが、今作は洞窟ゲーとしてもいいような気がしている。そして今日も新しい洞窟を見つけます。

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